Version 1.0, February 1, 2002
EORC, NASDA / RESTEC

GCMAPS ADEOS/OCTS グローバルデータセット


目 次

  1. はじめに

  2. データフォーマット

  3. データ分割とファイル名
  4. データセット作成手法
  5. データの利用・配布について
   コンタクトポイント



1. はじめに

本データセットは宇宙開発事業団の 地球観測プラットフォーム技術衛星 (Advanced Earth Observing Satellite: ADEOS) に搭載された 海色海温走査放射計 (Ocean Color and Temperature Scanner: OCTS) のデータから作成されたグロー バルデータセットです。本データセットは、科学技術庁(現 文部科学省)による 科学技術振興調整費総合研究課題「炭素循環に関するグローバルマッピングと その高度化に関する国際共同研究 (Global Carbon Cycle and Related Mapping Based on Satellite Imagery: GCMAPS program) における研究項目 「衛星データの幾何補正手法の高度化と衛星データセット作成 に関する研究」の過程で作成されたものです。

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3. データフォーマット

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3. データ分割とファイル名

3.1 データ分割

炭素循環データベースでは1ファイルにつき1.6GBにもなります。 そのため、Web上でダウンロードが可能なサイズ(数MB程度)までデータの分割を行いました。 まず各チャンネル毎に分割し、更に全球10000×5000を南北方向に2分割、 東西方向に8分割の計16分割とした。分割の概念を図1に示します。 また、分割後のデータサイズは以下の通りです。

1.6 (GB) ÷ 16 (ch.) ÷ 2 (byte integer) ÷ 8

Divede figure

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3.2 ファイル名

分割後の各データのファイル名は以下のようになっています。

com_xxdy.aabcc

  • xx
  • : 10 or 30 (コンポジット期間、表1参照)
  • y
  • : 1 - 20 (コンポジット画像のシリアル番号、表1参照)
  • aa
  • : 01 - 16 (チャンネル番号)
  • b
  • : 1 or 2 (南北分割、図1参照)
  • cc
  • : 01 - 08 (東西分割、図1参照)

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    4. データセット作成手法

    4.1 データ処理フロー

    データセットを作成するための処理は以下のとおりです。

    (1) 放射量補正
    • LUT (Look Up Table) の作成
    • 各画素の放射輝度への変換
    • ストライプノイズの除去
    (2) 幾何補正
    • GCP (Ground Control Points) の自動取得
    • 衛星の位置および姿勢の微修正
    • 地上観測点位置の算出
    • 原画像の再配列
    (3) コンポジット
    • 陸域と海域, 高緯度域と中低緯度域の判定
    • 各画素におけるデータの選択

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    4.2 放射量補正

    処理に用いたデータはOCTS GAC1A データであり、格納 されているデータは Digital Number となっているため、はじめに全て のバンドの値を放射輝度に変換しました。可視近赤外についてはラインごとに、 環境 (チルト角, ゲイン設定, 各部温度) によって変化する成分 (ゲイン, オ フセット) としない成分を算出し、放射輝度 (mW/cm2/sr/micron) に変換しました。熱赤外については、各走査ごとに基準黒体を観測しているため、 このデータを用いて放射輝度 (mW/cm2/sr) に変換し、放射輝度から 輝度温度 (K) への変換テーブルを用いて輝度温度としました。 また、可視近赤外・熱赤外共にストライピングノイズの除去を行いました。

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    4.3 幾何補正

    OCTS のプロダクツには衛星の走査機構の情報のみを用い た幾何補正 (システム補正) によって算出された地上観測点の位置 (緯度・経 度) がメッシュ状に格納されています。この位置情報と対応する画像上の位置 を詳細に比較したところ、地上距離にして数 km の誤差があることが判明しま した。したがって、プロダクツ内の位置情報を用いて画像を幾何補正すると補 正済みの画像同士を正確に重ね合わせることができなくなってしまします。そ こで、地上基準点 (GCP:画像上と地図上で同一と同定できる点) を用いた精密 幾何補正を行いました。

    精密幾何補正は、GCP の取得、GCP に合わせた衛星位置・姿 勢の微修正、修正後の衛星位置・姿勢を用いた地上観測点位置の算出、原画像 の地図座標系への再配列という順に処理が進められます。GCP の取得は、GCP と 見なし易い岬等の位置を候補点として先ずライブラリ化しておきます。原画像 から海岸線を抽出したものと、予め用意してある海岸線データの両者から GCP 候 補点付近のサブイメージを切り出し、両者を画像マッチングすることにより GCP の位置を自動的に決定します。得られた GCP を用い、写真測量で用いられ る共線条件式により衛星の位置と姿勢を微修正します。実際の処理では、姿勢 の精度が芳しくないことから姿勢のみを微修正しています。以降の地上観測点 位置の算出、原画像の地図座標系への再配列という処理はシステム補正と全く 同様に行えます。これらの処理により、画像同士を重ね合わせるに足る精度を 有する幾何補正画像を得ることができます。

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    4.4 コンポジット

    4.3 で幾何 補正された画像データを元に、10日間、30日間のコンポジッ ト画像を作成します。ただし、コンポジット期間は基本的には10日間、30日間 としているものの、1996年12月19日から1997年3月18日のチルトなしで運用し た期間等を考慮して下表に示す通りとしました。

    table 1

    コンポジットは、ある一定の期間に観測された複数のデータセットから、最も条件の 良いデータを画素ごとに選択することで、その期間を代表する1つのデータセットを 合成する処理です。これにより雲の影響を最小限にすることが出来ます。 本データセットでは全球を水域・高緯度、水域・中低緯度、陸域・高緯度、 陸域・中低緯度の4 地域に分け、それぞれに個別のアルゴリズム を使用しました。水域・陸域の判断は海岸線データから作成した陸マスクを もとに行い、高・中低緯度の判断は、コンポジット期間の太陽天頂角が全てしきい値 (1.35radian) 以上である地域を高緯度、そうでない地域を中低緯度としました。 以下にそれぞれの地域のアルゴリズムについて説明します。

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    4.5 参考文献

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    5. データの利用・配布について

    5.1 著作権・免責・二次配布

    本ホームページからダウンロードされたデータの著作権は宇宙開発事業団が有します。 また、本ホームページからダウンロードされたデータの利用に際して発生した被害について 宇宙開発事業団は一切責任を持ちません。本ホームページからダウンロードされたデータ (全部または一部) の二次配布は本readmeファイルをつけた状態でのみ許可されま す。ただしメディア代等実費以外の有償配布は禁止します。

    5.2 クレジットの表示等

    本ホームページからダウンロードされたデータまたはその加工物を論文、書籍、 報告書等に掲載した場合には画像の脇に著作権のクレジット (文部科学省, 宇宙開発事業団) を明示するかまたは本文中にデータの出典 (例参照) を明示して下さい。

    出典明示例:本研究には、宇宙開発事業団が文部科学省の科学技術振興 調整費総合研究「炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する 国際共同研究」において作成した ADEOS/OCTS グローバ ルデータセットを用いた。

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    コンタクトポイント

    宇宙開発事業団 地球観測利用研究センター

    〒104-6023 東京都中央区晴海1丁目8番10号
    晴海アイランドトリトンスクエア オフィスタワーX 23階

    電話番号: 03-6221-9000 (代)
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